新年

Java: Court Gamelan

Java: Court Gamelan

Gamelan Gong Kebyar

Gamelan Gong Kebyar


Ketawang Puspawarna という、ジャワのガムランの曲を聴きながら、新年を迎えた。
晦日の夜更け、兄と家の裏にある保育園に除夜の鐘を打ちに。焚き火が火の粉をまき散らし、小さい子供がちょろちょろ走っている中、順番を待ち、ゴーンと打つ。例年音が小さくなってしまうので、勢いつけて思いっきり打ったら、今回は物凄く大きな音が鳴った。
家に帰って部屋でiTunesを眺めながら、ふと、年が明ける瞬間は、Ketawang Puspawarnaを聴こう、と思った。この曲は、私が小学校の頃踊った曲だ。現地でインターナショナルガムランフェスティバルで踊ったのは別の曲だが、上野の博物館で踊ったのはこの曲で、最も思い出深い。女の子が一人で舞う「ゴレ」という踊りで、ずっと「ゴレ」と呼んでいたので、曲名も知らなかったけれど。
記憶している限りで2,3回舞っているうちに、年が明けた。鏡を見たり、壁に映る影を眺めたりしながら、ぼんやりと覚えている動きを曲に合わせて踊った。そのうちに、徐々に思い出してきたのが、嬉しかった。
ただ、あやふやな踊りっぽい動きをしながら、なんとなく、あの頃の踊っている最中の「無心」の感じは、もう戻らないのではないか、と少し思った。上手下手を超えて、いろいろなことを忘却していくような、あの感じが好きだった。
それでもやっぱり、今年はもう一度踊りを始めたい、と思う。