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目の前にシャッターの如くに壁が下りて気づいたら箱のような入れ物の中にいて何やら怒りが収まらない 目に手に足に触れるもの あたりそこら中の空気まで すべてに苛立ってしょうがなく 力いっぱい反発するけれども皆返ってきてむしろ体中が痛くてしょうがない 箱の中をいつ出られるのか 皆目見当がつかない その感じは、いつかの過去を思い出す。そう高校生のとき。まわりは鋭利なナイフのように見えていつも自分は血みどろで 切り刻まれてそしてグシャリとそのへんで湿気を帯びてのたうっている その間に 私は忘れ去られていく ゆくゆくは 存在したことすら 血痕と共に洗い流されていく と本気で空想していた、あのときはたぶん思春期だった。あれからだいぶ私は幸せになった気がしたけれど、結局ここに帰ってくるのかと思うと、いかに成長してないか、なんて現実的なことはおろか、廻り廻って逃れられない性質に直面して、いなくなりたくなるような衝動、でもいくら蒸発していっても、それでも小さくグジュグジュと蠢く、そんな気持ち悪さを感じるものだ。ああ早く誰かが気づいて踏み潰して 私はそのへんの枯葉にでもなって 暴風に吹かれてどっか消えてしまえばいい なんて思いつつも、どこかそうなりたくないこの思い切りのなさ 嘆くことすら満たされないこの歯切れ悪さ 噛み殺せるはいつも、なんだ空気くらいか。でも以前は、この部屋の空気は青く青く見えていてそれがとても寂しかったけれど、今は温かく、ただ自分の色に濁っているだけ。この澱みをアクを取るように掬ってしまえたら、どんなにいいだろうか。
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