ホッチキスを外して

SLY MONGOOSE

ドラマチック

Layla

カラー・ユア・ソウル

Sergio Mendes: Magic Lady

早足で歩きながら、やらなければならないことを頭の中で整理して、何か忘れていないか思い返し、電車の中でメモをしたり、メールを送ったりする。電車が目的地に近づいた時、いそいそと荷物をしまい、立ち上がり、そして次の場所へと向かっていく。他人を垣間見る限り、多くの人がやっているように見えることだ。
私にもよくあるのだが、こういう行動は何となく、ホッチキスでカシャ！カシャ！と留めていく、あの感じに似ている。どこか心地のよさ、爽快な感じがあるものだ。ただ、ホッチキスは大体１,２回しか留めることがないからわからないのだけれど、上記の行動は、続けると頭がキュゥーっとで縮む感じがしてくる。私は耳が動かせるのだけど、周りにせがまれて耳を続けて動かそうとした時に、頭なのか頭皮なのかが妙に疲労する。ちょうど、その感じなのだ。あまり人の共感を呼ぶものではなさそうだけれど。
起きているわけでもなく、寝ているわけでもない。そんな状態で、晴れた午後、すいた電車にゆらゆら揺られ、手元の本を読んだり読まなかったりしながら、気がつくと大幅に乗り過ごしている。それがやっぱり、時々気持ちいい。何にもカシャリと留められることなく。ふわりふわりと。足取りやら表情やら、みな意識の外にあるような感じがする。
何はともあれ、今日はまさに頭がキュゥー状態。今ぬるいミルクティーを飲みながらSergio Mendesを聴いていたら、溶けていくような心地がした。このアルバムを、今までで一番味わっている日だと思う。